アメリカ人アーティスト、カラ・ウォーカー(Kara Walker)にまつわる論考集。本書は出版社「THE MIT PRESS」が手がける「October Files」シリーズの第28巻として刊行された一冊。同出版社が発行する現代美術・美術批評・理論を専門とする季刊誌『October』の編集委員によって編纂される、手頃なペーパーバック・シリーズである。戦後を代表するアーティストのなかから、美術に対する我々の理解を大きく変え、高度かつ継続的な批評的言説を生み出してきた人物を一冊ごとに取り上げる。それぞれの巻では、重要な作品群の展開をたどるとともに、それらを契機として形成されてきた批評的言説の構築過程を明らかにする。

本巻では、カラ・ウォーカーの芸術実践の全貌をたどり、作品そのものに焦点を当てている。作品をめぐる議論や論争ではなく、その表現の豊かさを多角的に読み解く。

カラ・ウォーカーの作品は、アメリカにおける奴隷制の幻想化され歪められた歴史と結びついた図像表現を取り入れたことで知られ、その活動を通じて数え切れないほどの批評や理論的考察の対象となってきた。作者の作品に対する解釈は、それ自体が引き起こした数々の議論によって大きく形づくられてきたのである。では、そのような「幾重もの理論的な層」に覆われた作品に、我々はどのように向き合えばよいのだろうか。本書は、作品を取り巻く論争ではなく、カラ・ウォーカーの作品そのものに焦点を当てている点に大きな特徴がある。収録された論考とインタビューは、1990年代初頭の作品から近年の制作までをたどり、代表作であるシルエット作品に加え、これまであまり注目されてこなかったドローイングやランタン・ショーにも光を当てながら、その豊かな創作活動の広がりと奥行きを明らかにする。

美術史家、キュレーター、美術評論家、研究者、作家らによるテキストは、それぞれの作品を物質性を備えた美術作品として丹念に読み解き、それらを形づくる社会的・政治的・文化的背景のなかに位置づけている。ただし、それらの背景が作品を一義的に規定するものではないという視点が一貫している。収録内容には、アフリカ系アメリカ人、ディアスポラの美術に対する貢献で知られる、「スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(Studio Museum in Harlem)」のディレクターでありキュレーターの、セルマ・ゴールデン(Thelma Golden)による作者へのインタビューを収録。また、キュレーターのヤスミル・レイモンド(Yasmil Raymond)がウォーカー作品を特徴づける主要な要素を辞典形式で読み解いた論考、本書の編者であるヴァニナ・ジェレ(Vanina Géré)による、ウォーカーの歴史資料の活用を考察した論考などを収録する。さらに、ジャマイカ系イギリス人小説家であるゼイディー・スミス(Zadie Smith)は、ウォーカーのパブリックアートを植民地主義的モニュメントへの対抗的な提案として捉えるとともに、植民地支配の歴史を問い直す実践として論じている。

寄稿:ロレーヌ・モラレス・コックス(Lorraine Morales Cox)、ヴァニナ・ジェレ(Vanina Géré)、セルマ・ゴールデン(Thelma Golden)、タヴィア・ニョンゴ(Tavia Nyong’o)、ヤスミル・レイモンド(Yasmil Raymond)、ジェリー・サルツ(Jerry Saltz)、ゼイディー・スミス(Zadie Smith)、アン・M・ワグナー(Anne M. Wagner)、ハムザ・ウォーカー(Hamza Walker)

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カラ・ウォーカー

OCTOBER FILES: 28 KARA WALKER

2022

¥ 5,280 (税込)

アメリカ人アーティスト、カラ・ウォーカー(Kara Walker)にまつわる論考集。本書は出版社「THE MIT PRESS」が手がける「October Files」シリーズの第28巻として刊行された一冊。同出版社が発行する現代美術・美術批評・理論を専門とする季刊誌『October』の編集委員によって編纂される、手頃なペーパーバック・シリーズである。戦後を代表するアーティストのなかから、美術に対する我々の理解を大きく変え、高度かつ継続的な批評的言説を生み出してきた人物を一冊ごとに取り上げる。それぞれの巻では、重要な作品群の展開をたどるとともに、それらを契機として形成されてきた批評的言説の構築過程を明らかにする。

本巻では、カラ・ウォーカーの芸術実践の全貌をたどり、作品そのものに焦点を当てている。作品をめぐる議論や論争ではなく、その表現の豊かさを多角的に読み解く。

カラ・ウォーカーの作品は、アメリカにおける奴隷制の幻想化され歪められた歴史と結びついた図像表現を取り入れたことで知られ、その活動を通じて数え切れないほどの批評や理論的考察の対象となってきた。作者の作品に対する解釈は、それ自体が引き起こした数々の議論によって大きく形づくられてきたのである。では、そのような「幾重もの理論的な層」に覆われた作品に、我々はどのように向き合えばよいのだろうか。本書は、作品を取り巻く論争ではなく、カラ・ウォーカーの作品そのものに焦点を当てている点に大きな特徴がある。収録された論考とインタビューは、1990年代初頭の作品から近年の制作までをたどり、代表作であるシルエット作品に加え、これまであまり注目されてこなかったドローイングやランタン・ショーにも光を当てながら、その豊かな創作活動の広がりと奥行きを明らかにする。

美術史家、キュレーター、美術評論家、研究者、作家らによるテキストは、それぞれの作品を物質性を備えた美術作品として丹念に読み解き、それらを形づくる社会的・政治的・文化的背景のなかに位置づけている。ただし、それらの背景が作品を一義的に規定するものではないという視点が一貫している。収録内容には、アフリカ系アメリカ人、ディアスポラの美術に対する貢献で知られる、「スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(Studio Museum in Harlem)」のディレクターでありキュレーターの、セルマ・ゴールデン(Thelma Golden)による作者へのインタビューを収録。また、キュレーターのヤスミル・レイモンド(Yasmil Raymond)がウォーカー作品を特徴づける主要な要素を辞典形式で読み解いた論考、本書の編者であるヴァニナ・ジェレ(Vanina Géré)による、ウォーカーの歴史資料の活用を考察した論考などを収録する。さらに、ジャマイカ系イギリス人小説家であるゼイディー・スミス(Zadie Smith)は、ウォーカーのパブリックアートを植民地主義的モニュメントへの対抗的な提案として捉えるとともに、植民地支配の歴史を問い直す実践として論じている。

寄稿:ロレーヌ・モラレス・コックス(Lorraine Morales Cox)、ヴァニナ・ジェレ(Vanina Géré)、セルマ・ゴールデン(Thelma Golden)、タヴィア・ニョンゴ(Tavia Nyong’o)、ヤスミル・レイモンド(Yasmil Raymond)、ジェリー・サルツ(Jerry Saltz)、ゼイディー・スミス(Zadie Smith)、アン・M・ワグナー(Anne M. Wagner)、ハムザ・ウォーカー(Hamza Walker)

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取り扱い twelvebooks
サイズ 22.8 x 15.4 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100056238
出版 THE MIT PRESS
著者 Kara Walker
ISBN 9780262544474
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件

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