「架空の古代遺物」をテーマに、異なる場所/時代に由来する遺物のイメージをミックスして作られる作品は、どこにも属していないかのような独特の浮遊感をまとう。

今作は複数の偶像彫刻を組み合わせて作られた架空のイメージをモチーフに、セラミックで立体作品にした「BC（ブラック・セラミック」。硬質感のある特徴的な黒色は、黒焼き茶碗などに用いられる釉薬によるもの。

タイトルを記号的にすることで、作品がタイトルによって物語的に指示されることから距離を取ろうとしている。形式的なものに置き換えることで、小池が作品に用いるモチーフがすでにその形態から、かつて持っていた神性が抜け落ちていることを示唆していると同時に、神話に対し物語的に触れることをしない作家自身の立場を反映している。