自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶

自然釉蝙蝠瓶
自然釉蝙蝠瓶
自然釉蝙蝠瓶
自然釉蝙蝠瓶
自然釉蝙蝠瓶
自然釉蝙蝠瓶

「画」という字を書いてみる。見れば見るほど不思議な感覚が脳裏をよぎる。紙の上の文字は二次元の世界だが、「画」という字は限りなく透明に近い立方体を外から俯瞰しているかのような感覚に陥る。それはまるで、箱(繭)の中の虫、箱(壺)の中の宇宙、を表しているようでもある。

今回、全く異なるメディアの二人展に「画 」というタイトルをつけた。一人は 陶芸家の辻村唯、もう一人は染織家寺川真弓である。


辻村は土を捏ねろくろを回し大きな壺を作る。焼成前の壺たちを窖窯という壺(生まれ育った山中に一人で造りあげた窖窯自体がすでに一つの壺だとも云える)の中に置き、一昼夜をかけ薪を燃やし続ける。窯の中で自然灰が溶け釉に変化し、常温にまで冷める時間の中で、壺の表面に青く緑がかった「画」が現れるが、同時に壺の内側は作家自身でさえ見ることのできない暗闇(宇宙)によって裏打ちされていることに気づかされる。
寺川の仕事は桑の木を自宅の庭で育て、お蚕さんの掃き立てから始まる(孵化した毛蚕を蚕座に移し広げる)。桑の葉を食べて育ったお蚕さんは、細い糸を吐きやがて白く輝く繭を作る。糸を挽き、草木で染め、そこからやっと機織りが始まるのだ。丹念に機に張られた経糸の間を緯糸がすり抜ける度に「画」がゆっくりとできあがっていく。それは繭の糸をほどきもう一度繭を織るような行為とも云えるだろう。

蒙昧な宇宙を内側に感じながら土と自身の皮膚を炎で焼き壺化していく辻村。そしてお蚕さんに化身しあたかも自身の繭から挽いた糸で繭という布を織る寺川。奈良の土地にこだわり、奈良の自然に身を委ねる二人が身に纏う「画」を、私たちは見ないわけにはいかない。 文:野村ヨシノリ (Gallery OUT of PLACE) 2024年7月

MORE

辻村唯

自然釉蝙蝠瓶

2024

¥ 66,000 (税込)

「画」という字を書いてみる。見れば見るほど不思議な感覚が脳裏をよぎる。紙の上の文字は二次元の世界だが、「画」という字は限りなく透明に近い立方体を外から俯瞰しているかのような感覚に陥る。それはまるで、箱(繭)の中の虫、箱(壺)の中の宇宙、を表しているようでもある。

今回、全く異なるメディアの二人展に「画 」というタイトルをつけた。一人は 陶芸家の辻村唯、もう一人は染織家寺川真弓である。


辻村は土を捏ねろくろを回し大きな壺を作る。焼成前の壺たちを窖窯という壺(生まれ育った山中に一人で造りあげた窖窯自体がすでに一つの壺だとも云える)の中に置き、一昼夜をかけ薪を燃やし続ける。窯の中で自然灰が溶け釉に変化し、常温にまで冷める時間の中で、壺の表面に青く緑がかった「画」が現れるが、同時に壺の内側は作家自身でさえ見ることのできない暗闇(宇宙)によって裏打ちされていることに気づかされる。
寺川の仕事は桑の木を自宅の庭で育て、お蚕さんの掃き立てから始まる(孵化した毛蚕を蚕座に移し広げる)。桑の葉を食べて育ったお蚕さんは、細い糸を吐きやがて白く輝く繭を作る。糸を挽き、草木で染め、そこからやっと機織りが始まるのだ。丹念に機に張られた経糸の間を緯糸がすり抜ける度に「画」がゆっくりとできあがっていく。それは繭の糸をほどきもう一度繭を織るような行為とも云えるだろう。

蒙昧な宇宙を内側に感じながら土と自身の皮膚を炎で焼き壺化していく辻村。そしてお蚕さんに化身しあたかも自身の繭から挽いた糸で繭という布を織る寺川。奈良の土地にこだわり、奈良の自然に身を委ねる二人が身に纏う「画」を、私たちは見ないわけにはいかない。 文:野村ヨシノリ (Gallery OUT of PLACE) 2024年7月

MORE

取り扱い Gallery OUT of PLACE
サイズ 16.0 x 26.0 x 10.0 cm
素材 陶土 還元焼成
商品コード 1100037128
配送までの期間 お届けは2024年10月後半になります。
カテゴリー
購入条件