GALLERY SIDE 2での花澤武夫さんの2007年初個展より9度目の個展を開催します。かねてより、身の回りの気になる事物や風景を、歴史と照らし合わせながら、絵画や彫刻を制作してきた花澤武夫さんの新作個展「スペース・イズ・ザ・プレイス」。タイトルは、宇宙こそがその場所、とフリー・ジャズ、ファンクの世界を広げたサン・ラーの1973年のアルバムを引用しました。アフロフーチャリズムを前提としたサイエンス・フィクションと寓話を合わせたこのアルバムは政治的でもあり、彼に共鳴する人と彼自身の自由への渇望を体現した祝祭のシンボルとも言われます。花澤さんの展覧会ではそこに、正岡子規の庭を一つの宇宙空間としてとらえ、新たな層を作ります。病床の正岡子規は庭を、心を遊ばせる自由な空間、そしてインスピレーションとして、庭の構図や数々の俳句を残しています。「スペース・イズ・ザ・プレイス」展は、絵画、彫刻、版画で構成し、多様な情報が手に入る現代において、自身にとってリアルな事物を基に、文化的ルーツや、立ち位置を考察します。是非に見ていただければ幸いです。

協力：版画工房カワラボ！