¥ 10,340 (税込)
ドイツ人アーティスト、ヘンリケ・ナウマン(Henrike Naumann)の作品集。
本書は、「第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(the 61st Venice Biennale)」におけるドイツ館で開催された展覧会「RUIN」に伴い刊行された。同展覧会は、カトレーン・ラインハート博士(Dr. Kathleen Reinhardt)によるキュレーションのもと、作者とスン・ティウ(Sung Tieu)の作品が発表された。本書は、二者の作品のうち、作者の作品に関わる資料を独立した形で刊行したものである。2026年2月に惜しまれつつもこの世を去った作者が、本展に向けて進めていた作品の資料がまとめられている。
そこに明確な始まりと終わりはない。リング製本の流れに身を任せ、「永遠に」ページをめくり続けるうちに、新たなつながりが現れ、断片と意味は移ろい、すでに見たはずのものが反復の中で異る形で立ち現れる。明快な解釈は読者の手をすり抜けていき、編まれた資料は文脈を与えると同時に、読む者を戸惑わせる。それは、ドイツ館での作品について作者自身が語った言葉のとおり、「居心地の悪い」ものである。そこに浮かび上がるのは、意識的に締めくくられることのなかった、むしろ唐突な終わりによって定められた、濃密な芸術的実践である。
資料集として、制作プロセス全体から多様な要素とアプローチが集められている。まず、作者自身が「独自の用語集であり記号体系である」と語ったヒエログリフ(象形文字)。その一部には、近現代ドイツ、殊に東ドイツ史を専門とする歴史家のクレメンス・フィリンガー(Clemens Villinger)によるテキストが添えられている。さらに、絶えず更新され続けた膨大なコンセプト資料「masterplan.key」。アイデアとつながりを集めるために1年以上前から着手されたこの「キーノート(Keynote)」書類は、コンセプトの展開とその攪乱を練り上げ、スケッチや綿密なリサーチから引き出されたメモと思考の過程を可視化する助けとなった。そこには、選考の際に書かれた最初のコンセプト草案も含まれている。
コンセプト・ペーパーの実践と同じように、作者は「masterplan.key」を内部的なコンセプト文書として用い、コラージュと加工を展開しながら、素材と幾重にも重なる文脈を「制御下に置く」ことを試みた。この文書のページサイズは、あるプロジェクトの制作プロセスを作者に説明してもらうため、別の人物が「キーノート」のプレゼンテーションをクリックしていく傍らに座り、ともに見つめていたラップトップの画面に基づいている。
本書にはさらに、作者によるコンセプトのテキスト・スケッチと、美術史家のケルスティン・シュタケマイアー(Kerstin Stakemeier)によるテキストが収められている。加えて、まだスタジオにあった時期に撮影されたヒエログリフの個別の写真と、ヴェネチアでの展示風景も収録されている。本書の制作にあたり、コンセプトとグラフィックデザインは、アーティストのヨハネス・ビュットナー(Johannes Büttner)が手がけた。
本書は当初、作者によって構想されていたものではなく、編集者たちがビエンナーレのオープニングの直前に刊行を決めた。、アイデア、取り組み、リサーチを明るみに出すという、メタルフォルダー「CONCEPTS」において作者が踏み出していたアプローチを引き継ぐためである。作品を広く伝え、媒介することは、作者にとってつねに特別に重要なことであった。ドイツ館への出品をめぐるリサーチと思考の道筋を公開することは、その動機をできるかぎり確かに支えようとする試みである。
こうして生まれたのは、洞察をもたらすと同時に、何よりも読者に問いを突きつけ、これらのアプローチをさらに引き継いでいくよう促す、開かれたドキュメントである。
ドイツ語、英語併記。
MORE
| 取り扱い | twelvebooks |
|---|---|
| サイズ | 30.0 x 22.0 x cm |
| 重量 | 1.0kg |
| 商品コード | 1100058693 |
| 出版 | BIERKE VERLAG |
| 著者 | Henrike Naumann |
| ISBN | 9783948546700 |
| 配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
| カテゴリー | |
| 送料 | ¥770(税込) |
| 購入条件 |